宇宙船と脳内物質オキシトシン(2023年10月21日掲載)
47歳、4児の子育てをしている父親です。
常日頃子供達には、身の丈に合った行動を大切にしつつも、大局観を大事にして、生きて行ってほしいと感じています。
去年の冬のこと。
我が家にコロナウィルスが到来し、家族6人での自宅隔離生活を強いられました。
短いようで長い1週間。初めはお互い励まし合って過ごしていたものの、個室のない我が家では、次第に狭い空間での緊張が高まり、衝突が絶えなくなりました。
そんなとき、私は宇宙飛行士の野口聡一さんの言葉を思い出しました。
「国際宇宙ステーションという、死と隣り合わせの狭い空間に半年以上、人種も宗教も哲学も違う人たちと過ごす宇宙飛行士たち。
必須スキルとして、そんな環境でもストレスを感じないぐらい哲学とか勉強しているのですか?」
インタビュアーの質問に、野口さんは笑顔で「そんなことないですよ」と答えていました。
「実際に気が合わない人もいるし、衝突もあります。
それぞれ問題解決の仕方やストレスの解消方法も違います。
ただ言えるのは、誰一人欠けても、国際宇宙ステーションが運営できないとそれぞれが理解していて、『全員で生きる!』と腹が据わっていれば、自然と衝突は小さいものになりますし、ストレスは生まれないのですよ。
もしかしたら、どこかで『逃げられる』とか思っていると、むしろストレスが生まれるのかもしれないですね。」
家族にその逸話を話し、ぶつかりそうになったら避けること、「みんなで生きよう!」と伝え、1週間を何とか笑顔で乗り切ることができました。
愛情ホルモン、幸せホルモンと呼ばれる脳内物質オキシトシン。
妊娠中や産後の女性に多く分泌されていて、母性本能と関係性の深い女性ホルモンと認識されていましたが、昨今の研究の成果で、老若男女問わず分泌していることが分かりました。
研究が進む中で、オキシトシンは、安らぎを感じる効果や、信頼感や共感が高まる効果、痛みが感じにくくなる効果、食欲を抑える効果などがあるとわかり、研究者たちの注目を集めています。
ただし、良い面もあれば、悪い面もあります。
更なる研究で、オキシトシンには、愛情が結びついたもの同士の共感力を高めるなど、仲間と助け合う傾向を高める作用を持つ一方で、仲間と仲間以外の線引きをして、仲間でないものに攻撃的になる、排他的になるという作用があることがわかりました。
深い愛情ゆえの攻撃性。
この研究を紹介していたテレビ番組では、この事実は戦争が発生する一因になりえると紹介していました。
戦争を起こさないためには、本能に流されず、仲間と仲間以外という線引きをしない。
この事実を意識しておくことは、未来に向けて重要なことかもしれないと考えるようになりました。
建築家で哲学者のバックミンスター・フラーは、「宇宙船地球号」という有名な言葉を残しました。
地球は365日で太陽の周りを1周しています。
それと同時に、太陽系は天の川銀河の中を秒速220キロメートルで移動していて、天の川銀河を1周巡るのに、2.8億年を要します。
螺旋を描くように広大な宇宙空間を旅する地球。
人類がその旅に参加したのはつい最近で、フルマラソンで1周を換算すると、まだ30メートル地点です。
我々人類はその長い旅路の中で、どのように地球で生きて行くが最善なのか。
身の丈を大事にしつつ、大きな目線を持って、子供たちには未来を歩んでほしいと感じています。
きたる11月5日(日)11時より、沼津港にあります港口公園にて、杉原千畝夫妻顕彰碑・碑前祭「命のビザ希望の集い」が開催されます。
今もヨーロッパや中東で、戦火に見舞われ、多くの方々の命が失われています。
人道を伴った平和な世界を願い行動した杉原夫妻の気持ちに寄り添い、沼津の地から多くの方々と平和な世界の実現を願えたらと考えています。
ご賛同頂く多くの方に足を運んでいただけたら幸いです。


