正解は過去、別解は未来(2024年2月16日掲載)

47歳、4児の子育てをしている父親です。

常日頃子供達には、失敗を恐れず、未知のことにも勇敢に挑戦し、人生を存分に楽しんでほしいと願っています。


私が若い頃に読書をしなかった経験を反省し、子どもたちには本を読むことの大切さを伝えています。

本を読むことで私たちは自然と多くの言葉を知ることができます。

そして、言葉を知ることで、初めて事象に輪郭が生まれ、それを具体的に捉えることができるようになります。

具体的に捉えることができれば、再現性が生まれ、他人との共有も容易になります。


言葉を知ることは、世界を広げる鍵です。

言葉への興味を持ち、その多様な使い方を知る最良の方法が、読書だと伝えています。


最近、読書に劣らず語彙力向上に有効だと感じているのが、対話型AI、チャットGPTの活用です。

先日、芥川賞受賞作家の九段理江さんがこのツールを使っていることが話題になりました。

私自身も、伝えたい内容を文章にする際、何かがしっくりこないと感じたら、チャットGPTに推敲を依頼します。

相手の年齢や立場を考慮に入れた指示をすれば、同じ内容でも表現方法が多様に変化します。

新たな表現に出会えるたびに驚かされますし、その結果として、私の語彙力も大きく向上したと実感しています。


言葉への強い好奇心を持つ私は、屋外の広告を読むことも好きで、声に出して読みたくなるフレーズに出会うと、その魅力に引き込まれます。

5年前、上野で開催されていた正倉院展に向かう途中、新宿駅のプラットホームで目にした一言が、私の心を捉えました。


「正解は過去。別解は未来。」

この言葉は、多くの人が正解を追い求める中、変わることのない絶対的な真理が存在する一方で、環境や社会が変化すれば、真の答えは別の解釈にあることを気付かせてくれます。


日本は現在、世界のどの時代においてもあまり経験をしていない、自然人口減少と高齢化を同時に経験している国です。

それゆえ過去に頼り過ぎることなく、最適な解答を模索する必要が私たちにはあります。

この言葉が、頭の隅に留まり続けることで、新たな視点が生まれます。

子供たちの心にも、この深いメッセージが残ることを願っています。


私は、日本において基本的な人権の一つが徐々に薄れつつあると強く懸念しています。

それは『失敗する権利』です。

失敗は成功の母であり、失敗は人間の成長に欠かせないものと誰もが分かっているはずです。

ただ、本能的に私たちは失敗を恐れ、常に正解を追い求めがちです。


別解を導き出すには、数多くの挑戦が必須であり、それには必然的に多くの失敗が伴います。

現代社会は、誰もがスマートフォンを持ち、簡単に動画を記録し、インターネット上に半永久的に残せる時代です。

このような環境では、失敗を恐れずに別解を模索することが、以前にも増して困難になっています。


しかし、失敗を通じて学ぶ経験は、誰にも奪われるべきではありません。

親として、子どもたちが失敗する権利を守り、彼らがその経験から成長してほしいと考えています。


昨年末のこと。人道教育プログラムの一環で、杉原千畝氏のご夫人、幸子さんの出身校である高松高校の生徒たちが幸子さんの故郷・沼津市を訪れました。

幸子さんのご縁を機に、ウクライナやイスラエルで戦争が続いている今、国際平和や人道について、沼津市内の高校生たちと意見を交わすなどの同世代交流を図る目的でいらっしゃいました。

私自身は、生徒たちの交流の場面には立ち会えませんでしたが、彼らの交流前日に、生徒たちと引率の先生方をお迎えしました。

その際、高松高校の生徒たちと引率の先生方の間のやり取りに、深く感銘を受けました。


生徒たちは自信を持って先生に相談し、先生が正面から応えている。

この信頼関係の根底にあるものは何なのか、興味を持ち、引率の三崎輝久先生にお尋ねしました。

「先生の生徒への信頼はどこから来るのですか?」と。


三崎先生は過去のサッカー部監督として全国大会出場された経験をお話下さいました。

「生徒たちに連れてきてもらった。

生徒たちのおかげで得られた貴重な経験に感謝し、彼らへの恩返しをしたい」

という強い思いが、三崎先生の生徒を信じる原動力となっていることを知りました。


私はお話をお聞きしていく中で、私たちがすべきことは若者を信じることなのだと感じました。

世代が異なれば視点や考え方も異なることは自然なことであり、それは時に私たちの常識とは異なるかもしれません。

それでも、若者を信じ、応援することの大切さを、三崎先生から学ぶことができました。


正解は過去。別解は未来。

子供たちがより良い別解を導き出せるよう、私は子供達を信じて、失敗を恐れず挑戦できる環境を、作っていきたいと感じています。

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